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旭化成、くい打ち問題に隠れた成功M&A

「とてもじゃないが、うちには経営できない」。ライバル大手の社長が舌を巻く事業が旭化成にある。除細動器を中心とする「クリティカルケア事業」だ。2012年に米ゾール・メディカルを当時、同社として過去最大の約1800億円で買収して参入した。化学や繊維と縁遠いとして「海千山千だ」とも言われたが、今や立派な稼ぎ頭だ。17年3月期は旭化成の7事業のうち唯一、営業増益を見込む。子会社によるマンションのくい打ち問題に関心が集まる同社だが、M&A(合併・買収)の成功事例も見逃せない。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO03586680U6A610C1000000/

(2016/6/15 日本経済新聞)

 

■コメント

旭化成のM&A手法を賞賛した記事である。2012年に買収した米ゾール・メディカルの成長性を引き出した手腕を高く評価している。

PMIで失敗する日本企業が多いといわれているが旭化成はそうではないようだ。旭化成のクリティカルケア事業の営業利益は16年3月期に前の期比2.9倍の119億円に拡大したとする。営業増益額(78億円)は7事業の中でトップで、増益額全体の8割を占めるまでになっており、ゾールの貢献度は計り知れない。

ここまで成功を収めている背景には、買収した会社の強み・成長性を引き出すことがうまいことがあげられる。

記事にもあるが下記がポイントだ。

  • 前経営陣に任せる

日本企業はM&Aの後買収先企業を管理したがるイメージがあるが、特に異業種参入の場合などは前任者に任せることが得策なのではないだろうか。

ゾールは買収された後もM&Aに積極的に取り組み、4月1日付の人事異動ではゾールの最高経営責任者(CEO)だったリチャード・パッカー氏が旭化成メディカルの柴田豊社長とともにヘルスケア領域の共同代表に就き、旭化成本体の専務執行役員にも昇格したという。

ただ、これには条件がある。その経営者の手腕がなければ成り立たないことだ。M&Aでは新しく加わる事業の魅力や成長性に目がいきがちだが、それと同等もしくはそれ以上に、経営陣を含めた人材に目をやるべきだろう。事業のを成長させてきた、そしてさせていくのは経営者をはじめとしたその会社の人材である。IT業界などでは人材確保という意味でのM&Aがよく行われているが、「企業は人なり」という言葉があるように全てのM&Aにとっての意味は「人」と「人」が一緒になること、そして協力して発展していくことにあるのではないかと思う。

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